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ジェンダーステレオタイプを崩すことがいじめの予防につながる

このブログでは何度も紹介していますが、私はオウル大学の女性・ジェンダー研究所が提供する From Violence to Caring study programme というプログラムを受講しました。今回は、このプログラムの「Sexual Dichotomy and Heteronormativity (性的二分法と異性規範性)」というモジュールで学んだことを紹介します。

この研究所は、学校のいじめをジェンダー学の視点から研究しています。その研究でわかったことのひとつに、「男らしくない男・女らしくない女がいじめの対象になるケースがある」ということがあります。社会には男はこうあるべき、女はこうあるべきというジェンダーステレオタイプが存在しています。そのジェンダーステレオタイプから逸脱した外見や態度を取る人には、なんらかの制裁が下されます。

たとえば、フィンランドの学校では、男らしくない男が「ホモ」と呼ばれ、クラスで権威を持つ男らしい男の集団から排除されるということがよく起きているそうです (Lehtonen, 2003)。ここでは、男らしくない男に制裁を下すことで、「正しい男性像」を作り上げ、維持しようとする集団のメカニズムが働いています。いじめのすべてがジェンダーの視点から説明できるというわけではないでしょうが、いじめの背景には「男/女はこうあるべき」という暗黙の規範がある場合もあるという説明は、自分の学校時代を振り返ってみても納得できます。

こうした実証研究に基づいて、フィンランドでは「ジェンダーステレオタイプを崩すことはいじめの予防にもつながる」という考えから、取り組みが進められています。具体的には、学校の教科書などから、男/女はこうあるべきというイメージを持たせるようなさし絵を取り除くことなどが行われているようです。また、この研究所のメンバーには、基礎学校を訪問して、「男/女と言ってもみんなそれぞれ違うので、多様性を尊重しましょう」というようなジェンダー多様性を推進するための講演をして回っているという人もいました。

以前紹介した「いじめ対策プログラム KiVa」もそうですが、フィンランドでは、ジェンダー学や社会学の視点から、具体的ないじめ対策につながる研究成果が生まれています。こうした研究動向とそれに基づく具体的対策からは、日本もたくさんのことを学べると思います。当該分野の研究者の方、行政の方、教員の方などは、ぜひ注目してみてください。

【References】
Jukka Lehtonen (2003) "Heteronormativity and Name-Calling - Constructing Boundaries for Students's Genders and Sexualities" in "Gendered and Sexualised Violence in Educational Environments" p 195-209, Oulu University Press
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