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若年者への生活保護を一部廃止する方向へ

フィンランドで、子供のいない25歳未満の若年層への生活保護が、例外的な場合を除き、廃止されようとしています。

日本では、ずいぶん前からニートやひきこもりが社会問題化していますが、最近はフィンランドでも、仕事をしておらず学校にも通っていない若者の存在が問題となっています (注1)。それでもフィンランドでは、特に親元から離れて暮らしている人への国の生活保護が充実しているため、本人もその状態から脱しようとしないケースがあるようです。今回の若年層への生活保護の廃止は、そうした若者の社会参加を後押しする意図があるようです。

日本とフィンランドの違いは、日本ではニートやひきこもりが主に家庭内の問題として放置されがちなのに対し、フィンランドでは早期に社会政策の対象とされる点だと思います。これは、親が子を経済的に養う日本のモデルと、国が国民を経済的に保護するフィンランド福祉国家のモデルの違いに起因すると言えると思います。フィンランド福祉国家は、税を効率的に集め、効率的に使うことで成立しています。仕事も勉強もしていない国民を放置すると、すぐに国の財政が成り立たなくなってしまいます。そのためフィンランドでは、社会的疎外は個人や家庭だけの問題ではなく、社会の問題として対処されます。

注1: ただし、Myrskylä (2012) によると、こうした若者は以前から一定数いて、特に増加しているわけではないようです。

【References】
Kaleva 2013.3.29 Kelan Hiilamo poistaisi toimeentulotuen nuorilta (KELA のヒーラモ氏、若年者への生活保護の廃止を示唆)
Pekka Myrskylä (2012) "HUKASSA– Keitä ovat syrjäytyneet nuoret? (失われた人々-疎外された若者の実態)"
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失業者にジムとプールを無償提供

オウル市は、3か月間限定で、失業者にジムとプールを無料で提供することにしました。

新聞記事の読者のコメント欄を見ると、好意的なコメントが多く寄せられています。
フィンランドは、誰もが勉強や仕事などで社会参加することを良しとし、社会的疎外(syrjäytyminen)が起こらないようにすることに力を入れています。
失業者に対しても、失業保険などで生活を保障することに加えて、社会の中に居場所がなくなることのないように対策が講じられているようです。

【References】
Kaleva 2013.3.26 Oulun työttömät ilmaiseksi kuntosaleille ja uimaan (オウル市の失業者にジムとプールを無料で提供)

PICT0293.jpg
オウルの中央プール
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オウル市の財政難

オウル市の税収が大幅に減少しています。今年1月~2月期の税収は、昨年と比べ、900万ユーロ少なかったそうです。

これを受け、オウルに本社を構える北フィンランドの新聞社 Kaleva は、電子版新聞のコメント欄で「オウルがどうすれば節約できると思うか」について読者の意見を集めています。コメント欄には200件以上のコメントが寄せられています。これは、私がこれまでに見た中では一番多いコメント数です。

たとえば、次のような案が出されています。

・夜間や週末に人の少ない建物の暖房や明りを節電する
・公務員に無給(または減給)の休暇を与える
・自分でも子供の世話ができるのに託児所に子供を預けるのを禁止する

Kaleva は、フェイスブックのページでも読者の意見を集めており、後日内容をまとめて発表するようです。Kaleva が、集めた意見をオウル市に伝えるのかどうかは分かりませんが、オウル市の職員も当然コメント欄は読むのでしょうし、影響力はあるのだと思います。

市と新聞、市民が一体となって民主主義が機能する。改めて、すごいところに留学に行っていたのだなと思いました。

【References】
Kaleva (2013.3.19) Kerro meille: Mistä Oulu voisi säästää? (オウルはどうすれば節約できると思いますか?)

PICT0297.jpg
オウル市役所
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フィンランド福祉国家では親が子の人生にあまり干渉しない?

はじめに断っておきますが、今回の記事はまったくの私見になります。

私は、留学に行っていたとは言っても、親も含めて家族単位で知っているフィンランド人の友人は数えるほどしかいません。ただ、それでもフィンランドでは親が子の人生にあまり口出しせず、進学や就職に関わる選択では個人の意思が尊重されるように感じました。

これは、フィンランドでは個が尊重される文化があるのだと説明することもできます。ただそれと同時に、フィンランド福祉国家では学費が無償なうえ実家以外から通学する学生には国から生活費が給付されるという社会制度が関係しているのではないかと思います。

日本では、たとえば大学に進学しようとする際、多くの人は学費や生活費を親に依存することになるので、必ず親の同意を得る必要があります。親は、最終的には「誰が養ってやっていると思っているんだ」「誰が高い学費を払ってやっていると思っているんだ」と言えるので、子供の選択に口出しをする権限があります。多くの学生は、大学を卒業して就職する際に、やっと親から経済的に自立して一人前になります。

それに対してフィンランドでは、親が子供の学費や生活費を払うのではなく、国が税金から支払う仕組みになっているので、子供は進学に際して必ずしも親の同意を必要としません。多くの学生は、国には経済的に依存していると言えますが、親からは経済的に自立しています。この構造のため、親は子供の選択にあまり口出しができないのではないでしょうか。

フィンランドの個が尊重される文化は、子が親に経済的に依存しなくてもよいというフィンランド福祉国家の社会制度と密接な関係があるのだと思います。
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開発大臣 Heidi Hautala (緑の党) の汚職

開発大臣 Heidi Hautala (緑の党) が、自宅の改修と掃除の費用の支払いに関して、不正を働いたことが明らかになりました。費用を業者に支払う際、本来支払わなければならない年金料を支払わなかったようです。

Hautala 本人もこれを認め、謝罪しています。ただ、本人のブログ (フィンランド語) によると、悪意を持って不正を働いたわけではなく、複雑な事情があるようです。本人は開発大臣を続けたがっており、首相のユルキ・カタイネンも辞職の必要はないと言っているそうです。

ただ、本件に関する国民の目は厳しいようです。Kaleva の記事のコメント欄には 100 件以上のコメントが寄せられていますが、Hautala を擁護する声はほぼ見当たりません。もちろん、匿名で投稿できるコメント欄には攻撃的なコメントが多いものなので、必ずしも国民の声を代表しているとは言えませんが、それでも辞職を求めるコメントがほとんどです。

興味深いのは、Hautala だけではなく、緑の党を批判するコメントが少なくないことです。
「私は政治のことを何も知らないので、緑の党に投票しました」
「さすが緑の党、節約志向ですね。私も改修を依頼する際には年金費を節約しようと思います」
など、皮肉たっぷりです。こういう批判が出ることが、一定の支持を獲得しつつも、未だ安定感に欠ける緑の党の立ち位置を表しているのかもしれません。

今回の件がどこまで緑の党の支持率に影響するのかは分かりませんが、反権威主義的でクリーンなイメージを売りとする同党にとって少なからず痛手となるのは間違いないでしょう。

Heidi Hautala
Heidi Hautala

【References】
・Heidi Hautaka のブログ記事 (2013.3.14) Minun olisi pitänyt olla tarkempi remonttikulujen kanssa
(改修費の支払いに関してもっと注意するべきだった)

・Kaleva (2013.3.14) Hautala pyysi anteeksi pimeitä palkkioita (Hautala 氏、不正な支払いに関して謝罪する)
・柴山 由里子 (2011 年 9 月)「フィンランドにおける緑の党の一考察-緑の運動から政権与党へ-」『社学研論集 Vol.18』
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航空会社Flybeが飛行機を女性で占拠

今日、3月8日は「国際女性デー」です。

これを祝して、航空会社Flybeは、カヤーニからヘルシンキへの朝の飛行機をパイロットから乗客まで100パーセント女性だけにしたそうです。

Flybeは、この取り組みによって、航空業界が男性中心の世界であることに注意を喚起することも目的としたそうです。Flybe Finlandでは、客室乗務員の女性の割合は89%ですが、パイロットはわずか4%だそうです。

フィンランドは、政治家や公務員の女性の割合が高く、民間企業にも男女平等が進みつつあるのですが、分野による性別の偏りは依然として大きく残っています。具体的には、社会・保険サービス、教育サービスなどの分野には女性が多いのですが、技術分野は男性が大勢を占めています。

この分野による性別の偏りを解消するためのフィンランドの取り組みについては、近い将来なんらかの形でまとめる予定です。

【References】
Kaleva 2013.3.8 "Flybe miehitti Kajaanin-lennon naisilla"
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親や先生のことも下の名前で呼ぶ

フィンランドでは、多くの場合、親や先生のことも下の名前で呼ぶようです。小さな子供が親のことを「お父さん、お母さん」と呼んでいるのはよく耳にしましたが、大きくなってからは親のことも名前で呼ぶことが多いようです。私も、フィンランドでは先生のことも下の名前で呼んでいましたし、そのことで嫌な顔をされたことはなかったと思います。

それに対して日本では、大人になってからでも親のことを「お父さん」「親父」「お母さん」「お袋」などと呼びますし、先生のことは必ず「先生」と呼びます。これは、日本では目上の相手には意見を言いにくいことと密接な関係があると思います。

親でも当然間違えることがあるのですが、それを指摘すると「親に対してなんていう口の聞き方だ!」と怒鳴られることがあります。また、先生といっても、多くの場合、専門分野以外のことはあまり分かっておらず、間違えることはあるのですが、普段「先生」と呼んでいる相手にはなかなか間違いを指摘しにくいことがあります。

フィンランドでは、誰でも下の名前で呼び合うことで、誰に対してでも自分の意見を率直に言いやすい雰囲気が生まれていると思います。こうした考えから、私は仮に将来「先生」という立場になることがあったとしても、「生徒」という立場の人には「下の名前で呼んでください」と頼もうと思っています。
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男女不平等なフィンランド語① lappuliisa

今日フィンランド語のクラスで男女不平等なフィンランド語を習いました。

「lappuliisa = 違反駐車の車に罰金の張り紙を付ける人」です。
これは、次の2つの語の複合語です。

lappu = タグ、ラベル
liisa = フィンランド人女性のよくある名前

女性がよくやる仕事なので、女性の名前が付けられているようです。おそらく、低賃金で誰もやりたがらない仕事なのだと思います。
私が「男女不平等ですね」と言うと、先生は、「そうですね。lappulauriにするべきですね」と言っていました。lauri は男性のよくある名前です。

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