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Web コース From Violence to Caring study programme

私事ですが、フィンランドのオウル大学の「女性・ジェンダー研究所」が提供している、インターネットが利用できれば世界中のどこからでも参加できる、From Violence to Caring study programmeという教育プログラムに現在参加中です。このプログラムは、ジェンダーに関連する暴力とその対策をグローバルな文脈で考察することを目的としています。プログラムは、すべて英語で行われます。

参加人数は約20人で国籍、年齢ともに多様です。20歳前後の一般的なフィンランド人の学生もいれば、30代後半のフィンランド人以外の社会人もいます。参加者の多くに共通するのは、留学や外国で働いた経験があるなど、国際的な志向が強いということです。ちなみに、日本人の参加者は私だけのようです。ただ性別に関しては、女性がほとんどのようです。

プログラムは、大学が管理するインターネット上のスペースを利用して進められます。具体的には、提供される動画や論文などの資料を読み、メッセージボードでの議論に参加し、コースの終わりにはレポートを提出します。与えられた課題をこなせば、後は自分の好きな時間に好きな場所で勉強できます。もちろん、これは逆に言うと、誰も厳しく管理してくれないので、自立して学習しなければならないということでもあります。また、先生やクラスメートと顔を合わせて話す楽しみがなく、完全にインターネット上だけの無機質な付き合いになるので、モチベーションが湧かないという人もいるかもしれません。

フィンランドは、新しいテクノロジーを導入して、より効率よく物事を進めようとする国だと思います。大学でも、各学生にインターネット上のワークスペースが与えられ、履修中の授業とその資料を整理したり、Web 上で議論や質問ができるようになっています。多くの大学では、教育資料などのクラウドへの移行が検討されており、効率化と経費削減が試みられています。このプログラムのような、100% Web上で完結できる授業もこれから増えていくのかもしれません。そうすれば、日本で仕事をしながら、フィンランドの大学で勉強して、自分に合った生き方ができるかもしれないなと少し期待しています。
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国民共通の兵役義務は維持するべきか?

フィンランドでは徴兵制があり、男性は基本的に、180~362日間の住み込みの兵役に参加することが義務付けられています。ただし、学校や病院などで362日間のボランティアを行うことで、兵役の代わりとすることもできます。ボランティアには、自宅から通うことができます。兵役またはボランティアは、高校卒業後に行う人が多いようです。毎年、約22,500人の男性が兵役を修了し、約1,000人の男性がボランティアを修了しています。

1995年以降は、女性も希望者は兵役に参加できるようになり、毎年約500人の女性が兵役を修了しています。

兵役の内容については、話を聞いたことしかありませんが、「つらかった」という声が多いようです。部隊 (前線、通信など) によって内容は異なるようですが、雨の中野営をしたり、飛んでいる飛行機の数を数えたりしたそうです。ただ、屋外でのサバイバル・スキルを身に付けられて「おもしろかった」と言っていた人もいます。

兵役の代わりにボランティアを修了した友人に、「なぜ兵役を受けなかったのか?」と聞いたことがありますが、「儀式的すぎるから」という意味のことを言っていました。「兵役に行き、住み込みの環境の中でわざわざ厳しい訓練を受け、男の中の男になって帰ってくる」というお話が、馬鹿らしく感じられたようです。

この国民共通の兵役義務については国内でも賛否両論ありますが、今のところ「維持するべき」という意見が多数派のようです。これには、教育的な意義や愛国心が培われるなどの他にも、「有給の軍隊を持つよりも経費を削減できる」という理由があるようです。つまり、国民共通の兵役義務を廃止すると、一部の希望者を有給で兵士として訓練して雇用することになり経費がかさむということです。

ただし、兵役に参加している期間は仕事も勉強もできないため、国の経済成長や税収にはマイナスの影響もあるということを考慮すると、必ずしも国民共通の兵役義務の方が安上がりだとは言えません。また、軍事技術は時代と共に変化し、体は鈍る (なまる) ため、本当に戦争などが起こった時に、若い頃に兵役を修了した中年男性などが役に立つのかという疑問の声もあるようです。それならば、常に訓練をして、最新の軍事技術を習得している有給の軍隊を持った方が理にかなっているのではないか、というわけです。

ボランティアで代替できる、女性も兵役に参加できるなどの手段で、多様性を尊重しつつも、今のところは国民共通の兵役制度を維持しているというところに、私はなんとなくフィンランドらしさを感じます。この点についてはまだうまく説明できないのですが、兵役制度についての今後の議論などを追いながら考えていきたいと思っています。

【References】
FORUM 1 Uusi Yhteiskuntatieto (2011、Otava)
P166 – 168 Yleinen asevelvollisuus vai jotain muuta? (国民共通の兵役義務は維持するべきか?)
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