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社会人が学習休暇を取れる

フィンランドには、直訳すると「学習休暇」(opintovapaa) という、教育機関で学習するために仕事の休暇が取れる制度があります。私にはこの制度を利用したことのある友人はおらず、具体的な適用例はあまり知らないのですが、休暇期間は数日から数か月で、たとえば普段は仕事をしながら大学で社会人向けのプログラムを受講している人が、論文を完成させるため勉強に専念したいときなどに、学習休暇を取得するようです。

こんな制度があると言うと、おそらく日本の大学教員などは「学問の価値を尊重したすばらしい制度だ。日本にもこういう制度を導入するべきだ」という主張をする人が多く、反対に企業の経営者は「従業員がこんな休暇を取得したら経営が成り立たなくなってしまう。産業界を馬鹿にするな」と主張する人が多いのではないでしょうか。今回の記事でこの制度を取り上げたのは、フィンランドでは学術界と産業界は対立するような関係ではなく、うまく連携して機能しているということを指摘したかったからです。

たしかに、学習休暇の制度のことだけを聞くと、学術界の肩を持った制度のようにも思えます。ただ、たとえばフィンランドでは大学のほとんどのプログラムにインターンシップが必修単位として組み込まれており、大学は研究機関としてだけではなく、人材を育成して社会に輩出する教育機関としても機能していると思います。大学は大学のやりたいようにやるだけ、企業は企業のやりたいようにやるだけ、というわけではなく、互いの価値や利害を尊重し合い、建設的に話し合って、どちらにとっても悪くない仕組みを考えた結果、この学習休暇やインターンシップの制度が作られたのだと思います。

学習休暇の制度からも、異なるセクターがいがみ合うのではなくコラボレーションする、フィンランドの特長を感じます。
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残業は残業代か代休で報われる

一般に、フィンランドでは所定の労働時間内に仕事を終えるようにしますが、それでも最近は残業が増えているそうです。ただ、ほとんどの場合、残業は残業代か代休(残業した分、他の日に休みを取れる)で報われます。

フィンランドの雇用・経済省はフィンランド統計局と共同で、1992 年から、給与所得者を対象に労働環境の調査を行っています(注1)。2012 年の調査では、2012 年 8 月および 9 月に残業をした人の割合は全回答者のうち 59 % だったそうです。2009 年の調査では、45 % だったそうです(Työ- ja elinkeinoministeriö、2013、p 51)。

残業の見返りとしては、代休を取得する人が最も多く、2012 年には回答者の 38 % が代休で報われる残業をしたそうです。残業代が支払われる残業をしたのは 27 %、サービス残業をしたのは 12 % だったそうです(p 54)。

日本で同様の調査が行われているのかどうかは知らないので、以下は私の感覚になります。日本の給与所得者で、8 月から 9 月の 2 か月間に、まったく残業をしなかったという人はあまりいないと思います。少なくとも、私が現在勤務している企業にはいません。

サービス残業をした人が 12 % いるというのは、思っていたよりも多い数字ですが、これは必ずしもサービス残業が常態化しているということを意味しているとは限りません。見返りのある残業もしており、たまに短時間の残業のときなどにサービス残業になっているというケースもあると思います。

特筆するべきなのは、残業の見返りとして代休を取得する人が最も多いということでしょう。こういうやり方をしていれば、「もっと頑張って、もっと見返りを得よう」というふうに加熱しすぎることも避けられるし、経営者も残業を前提とした経営計画を立てられなくなると思います。日本でも、残業したぶん代休を取るという制度と文化が広まると、ライフワークバランスという観点から言うと、良いかもしれません。ただし、日本では既に残業を前提として経済が機能しており、残業して残業代を得なければ、学生ローンを返済できない、一家の大黒柱として家族を養えない、子供の学費を支払えない、という人が少なからずいるということも考慮する必要があるでしょう。

注1: 2012 年の調査は、1552 人の給与所得者に電話インタビューを実施。回答率 77.4 %。2012 年 8 月および 9 月に、残業代が支払われる残業をしたか、代休が取れる残業をしたか、サービス残業をしたか、をそれぞれ質問。(Työ- ja elinkeinoministeriö、2013、p 113, 120)。

【References】
Työ- ja elinkeinoministeriö (2013) Työolobarometri - Syksy 2012 (雇用・経済省、ワーキングライフ バロメーター 2012 年秋期)

接客が静か

フィンランド留学から帰国したとき、日本の文化に違和感を感じる、いわゆる逆カルチャーショックという状態になりました。違和感を感じたことの一つに、日本では店員さんが必死で接客しているということがあります。コンビニやファーストフード店に入ると、何度も大きな声で「いらっしゃいませ」と言われ、驚きました。大きな声を出さないと店長さんに怒られるのでしょうか。

フィンランドでは店員さんは、「Hei」「** ユーロです」「Kiitos」しか言いません。それも自然なかんじで言うだけで、無理をして頑張っているかんじではありません。

帰国してもう随分経ちますが、日本の接客にはいまだに慣れることができません。私には、もう慣れることはないのかもしれません。

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(Source: Uusi Suomi)

2020年にどんな働き方をしていたいですか?

フィンランドの労働省が、「2020年にどんな働き方をしていたいか」についての、国民の意見を募集しています。

フィンランドは、2020年のフィンランド人の職業生活をヨーロッパで一番良いものにするため、「2020年職業生活プロジェクト」を作成中です。今回募集した意見は、このプロジェクト作成に利用されるそうです。

意見は、フェイスブックなどのオンラインディスカッションで集めるのに加え、顔を合わせたワークショップも複数回行われるようです。ワークショップには、現役のフィンランド人の労働者だけではなく、失業者や移民も呼び、さまざまな利害関係者の意見を集めるようです。

こんなふうに、みんなで話し合って働き方を決めれば、やりがいを持って仕事に取り組めるかもしれませんね。
嫌々やらされてやったり、経済的インセンティブだけでやっても、良い仕事の成果は生まれないのではないでしょうか。

【References】
Valtioneuvosto Millainen on hyvä työelämä vuonna 2020? Kerro mielipiteesi 16.6. mennessä (2020年にどんな働き方をしていたいですか? 6月16日までにご意見をお寄せください。)

失業者にジムとプールを無償提供

オウル市は、3か月間限定で、失業者にジムとプールを無料で提供することにしました。

新聞記事の読者のコメント欄を見ると、好意的なコメントが多く寄せられています。
フィンランドは、誰もが勉強や仕事などで社会参加することを良しとし、社会的疎外(syrjäytyminen)が起こらないようにすることに力を入れています。
失業者に対しても、失業保険などで生活を保障することに加えて、社会の中に居場所がなくなることのないように対策が講じられているようです。

【References】
Kaleva 2013.3.26 Oulun työttömät ilmaiseksi kuntosaleille ja uimaan (オウル市の失業者にジムとプールを無料で提供)

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オウルの中央プール
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